コーヒー器具の豆知識

Tips1:コーヒーミル

コーヒーミルについて

コーヒーミルとは焙煎されたコーヒー豆を粉砕するための器具です。そのコーヒー豆を粉砕するミルの種類によってコーヒーの味が違うことはあまり知られていないようです。コーヒーミルには手動式と電動式があります。

手動式

臼を引くようにハンドルを回し、コーヒー豆を粉にします。

  • 長所…場所を取らない、持ち運びができる、価格が安い、電気代がかからない
  • 短所…挽くのに時間が掛かる、挽き具合の調整が難しい。分解できないものもあり、衛生面等での問題があります。

電動式

  • 長長所…挽き具合の調整が簡単、粉砕に時間が掛からない。
  • 短所…場所を取る

手動式にするか、電動式にするかの判断基準ですが、1ヶ月に一度しか珈琲豆を挽かない人や、珈琲豆を挽くのが好きな人であれば手動式でも良いと思います。

刃の違い

ロールグラインダー、フラットカッター、コニカルカッター、ブレードグラインダーの4種類があります。

ロールグラインダー

豆はロール間通過の際に段階的に粉砕されます。粒度の均一性が高く、粉砕速度も早く、主に工業用に用いられています。長時間にわたって大量に粉砕するために工業用のミルには熱の発生が少ないことが求められていますが、ロールグラインダーはその点においても優れています。

フラットカッター

このタイプは業務用から家庭用にまで使用される電動式のミルに多いタイプです。一般に業務用のもの方が高価ではあるが、丈夫さ、粉砕速度などでの点で家庭用のものより優れている。

コニカルカッター

挽き方を無段階に調節できる点が特徴で、エスプレッソ用の電動ミルや手動のミルに多いタイプです。エスプレッソに使用されるミルの刃には2タイプあります。

  • フラットタイプ…放射状に目の細かい刃がついた2枚の円盤を速く回転させ、豆を遠心力で横に飛ばす際に、細かく挽きます。
  • コニカルタイプ…凹形と凸形の2枚の円形の刃を組み合わせ、回転して豆を挽きながら粉を下へ落としていきます。刃の回転数が少なくすむため、摩擦やモーターからの熱が起こりにくいので、豆に対する影響が少ないのが特長です。

フラットカッターやコニカルカッターでは固定刃と回転刃の隙間の調整により粒度を変えます。ステンレス製のもの、セラミック製のもの、歯を鋳造してあるもの、切削加工してあるもの、などさまざまな歯のタイプがあり、それぞれ粒度特性を変える要因になっています。

ブレードグラインダー(プロペラ式)

回転する歯の打撃により粉砕を行います。電動式のミルでは一番安価ですが、粉砕の安定性に欠ける、微粉が多いというデメリットもあります。

Tips2:コーヒーポット(ドリップポット)

コーヒーポットの材質

コーヒーポットに使用されている材質は大きく分けて、「ステンレス」と「ホーロー」の2つがあります。ステンレスはやかんや鍋などにもよく使用されていて、量販店などで販売されているコーヒーポットの多くもこの材質のものなので、馴染みのある方も多いと思います。ステンレス製のコーヒーポットは、耐久性とコストパフォーマンスに優れているので、とても扱いやすいです。あまりないとは思いますが、ホーロー製のコーヒーポットのように洗浄中に落下させても割れる心配がないのも良いところです。 一方、ホーロー製のコーヒーポットは、耐久性の面でステンレス製のコーヒーポットには劣ります。使えば使うほど劣化するので、割れやすくなります。ただ、一流のバリスタが言うには、ホーロー製のコーヒーポットには、ステンレス製のコーヒーポットでお湯を沸かしたり、注いだりした際の鉄臭さなどの雑味が入らないので、コーヒー本来の味と香りを感じられて良いという声もあるそうです。 あと、注意して頂きたい点が、ホーロー製のコーヒーポットの中には、直接火にかけられないコーヒーポットもあります。やかんでお湯を沸かして、移し変えてから使用する、お湯を注ぐためだけに特化したコーヒーポットもありますので、購入の際はご確認下さい。

コーヒーポット、ドリップポットの
注ぎ口の大きさ

コーヒーポットは、小さい分には困ることはあまりないと思いますが、(1度に大量に淹れられる方には不便です。)コーヒーポット・ドリップポットが無駄に大きくなるとその分、手元での微妙な動きや、注がれる湯量の調節がとても難しくなります。おいしいコーヒーを入れる際には、粉がドリッパー内で暴れないように、湯を点滴の様に細く、そして静かに注げる技術を可能にしてくれるサイズのコーヒーポットが必要になってきます。

Tips3:カップ&ソーサー

カフェや喫茶店に行き、コーヒーや紅茶を注文すると必ずカップにはソーサーが付いてきます。 カップとソーサーを生み出したのはヨーロッパと言われています。先史時代、手づかみで食事をするのが続いたヨーロッパでは、お椀よりお皿の方が使いやすかったため今もお皿が主に使われています。中世頃の貴族たちはコーヒーや紅茶を少し深いお皿で飲んでいました。やがてそのお皿に受け皿が付くようになりましたが、ヨーロッパでは、お皿を使うのが習慣であったため、わざわざ深めのお皿から受け皿(ソーサー)に移し換えて飲むようになりました。しかし、それはあまりにも面倒だということで、深めのお皿に取ってを付け出し、今のカップのようなものができました。昔はソーサーが主に使われていたということです。そして今コーヒーや紅茶にはカップとソーサーが出てくるようになりました。コーヒーと紅茶にも専用カップがあります。ティーカップは、光を受け、紅茶の色を美しく見せるため口が広く、浅く作られています。また、内面に書かれている絵柄も紅茶の透き通った色からも見えるように、ティーカップには絵柄が多いと思います。 コーヒーカップは、保温を保つため少し深めで、ティーカップに比べると口から底にかけてあまりカーブが少ない形が多いです。ちなみにコーヒーカップの口ふちは薄い方が、酸味や甘みを舌でとらえやすいと言われています。

Tips4:デミタスカップ

エスプレッソでお馴染みのデミタスカップ。通常のコーヒーカップよりかなり小さめのエスプレッソ用のカップです。このデミタスカップ、実はエスプレッソコーヒーのために作られた訳ではないのだそうです。1806年、フランスのナポレオンはヨーロッパ大陸の経済支配のため大陸封鎖令を出し、イギリスを封じ込めて全ての流通をフランス中心で行おうと試みました。その事が原因となり、ヨーロッパはコーヒー不足に悩まされました。今ではお店そのものがイタリアの重要文化財になっている「カフェ・グレコ」の3代目オーナー、サルヴィオーニ氏は苦肉の策としてコーヒーの量を3分の2にする事でしのいだそうです。量を減らすためにカップも小さくした、というのがデミタスカップ誕生の秘密で、エスプレッソはその後生まれたのだそうです。 ちなみに、デミタスの名前の由来は、フランス語でデミが半分という意味、そしてタスがカップという意味で、半分のコーヒーカップだからデミタス、という訳です。

Tips5:カフェテリアドリッパー

カフェテリアコーヒードリッパーはメッシュフイルターです。ペーパーよりメが粗いので少しだけ微粉が交じります。メッシュフイルターのドリッパーの良し悪しは味と微粉の量で決まります。メッシュが粗すぎると微粉が多くでて舌触りが悪くなりすぎます。でもメッシュが細かすぎるとペーパードリップではでないせっかくの美味しい成分がでない…。ですのでメッシュフイルターは相性もありますが良いものをお選びください。

Tips6:エスプレッソポルターフィルター

ご存知の方もおられると思われますが、実はエスプレッソを抽出する際に使うもので「エスプレッソポルターフィルター」と呼ばれています。これにコーヒー粉を入れてエスプレッソマシンにセットするのですが、(2人分ですと14g~18gくらいがおすすめ)コーヒーの挽き目、焙煎度、粉をセットした後にプレスするダンパーの押す力にもより、味が驚くほど違ってくるのです。 エスプレッソ(ドリップコーヒーでも同じ)の基本5大要素というものがあり「1:甘さ」「2:酸味」「3:ボディ(コク)」「4:苦味、」「5:バランス」がすべて良くなくてはいけないので、抽出時のダンパーでプレスをするときや、粉の量を設定するときなど非常にデリケートなのです。ちなみに熟練のバリスタになれば、どの工程で失敗したか分かるそうです。例えば、「粉の量が少ない」「ダンパーの押す力が弱い」「挽き目が粗い」などです。

粉砕のメカニズム&影響の大きさ

固体を砕くには、その物体の限界を超えた、 変形をもたらす力を加えないといけません。 こう書くと難しいですが要するに「つぶ3 細かく挽けば挽くほど表面積が増加しガス、 香りが放出されやすくなります。 そして酸素などの劣化要因と接触するリスクも増加します。もっといえばコーヒー豆は焙煎することで豆の大きさは 豆の栽培が破壊され大きくなりますが、できるだけ膨らまないように焙煎することが豆の劣化には いいと言う事です。 深い焙煎ほど豆が大きくなるのでエスプレッソなどの豆の劣化が早いのはその影響も大きいのです。田代珈琲では当日焙煎にこだわっています。やはりおすすめは豆のままご注文いただいて到着後、ご家庭のミルで挽いていただくというのが一番です。